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2025/04/08
【98】風呂掃除で腰痛になったイソジ税理士が思うこと  

1. 人生初の腰痛


わが家の「風呂洗い」は子どもたちの担当です。

妻の教育のタマモノと言いますか、
風呂洗い1回〇百円という報奨金制度のせいか、
いずれにせよ、子どもたちのおかげで助かっています。


先日、(たまには俺が風呂掃除をしてやろう・・・)と思い、
久しぶりにゴシゴシと風呂掃除をしましたら、
翌朝、ガッツリと腰痛に💦
五十路(51才)にして人生初の腰痛です💦


時間が経ってもなかなか痛みが治まらないので、
夕方、整骨院に行って診てもらうと、
痛い場所は腰のはずなのに、
  • 骨盤の歪み
  • カラダの硬さ
  • とりわけ、両足がガチガチに硬い
・・・これらが原因であると診断されました。


以来、日曜日以外は毎日治療に通い、
施術に加えて鍼灸治療も行ってもらい、
さらに、ストレッチ法もご指導して頂き、
随分とラクになってきました。

2. 痛い箇所が原因ではない


最初、「腰痛なのだから、腰が悪いのだろう」と思い込んでいた僕は、
痛い箇所が原因ではないと診断され、
改めて<体のメカニズムの神秘さ>に触れた気持ちになりました。


そして同時に、
「会社経営でも同じことが言えるよなぁ」と
そんなことが頭に浮かびました。


会社経営では「痛い」という表現は使いませんが、
  • 売上減少(販路・得意先減少)
  • 人件費高騰・人材不足・人材高齢化
  • 借入金残高の増加
  • 資金繰り悪化、etc,etc...
といった具合に、経営者の皆さんの頭を「イタタ」と悩ませることは沢山ありますよね。


痛みを伴うとき、
どうしても我々は「それ(問題箇所)そのもの」を見がちですが、
そんな時こそ、一度立ち止まってみて、
自分の想いを振り返ってみることが実は重要です。

3. 苦い経験


わたしが税理士として開業間もない頃、
経営不振に苦しむ顧問先さんを何とかしたいと思い、
色々な角度から経営分析をした結果をもとに、
あれこれと経営改善策をご提案しました。


しかし、残念ながら、
半数くらいの社長さん方にしか
響くものではありませんでした。


なぜなら、その頃のわたしは
「テクニック・ファースト」で取り組んでいたからです。


🔴どこが悪いか?
🔴どう改善すれば良いか?


それらばかりに気を取られ、
専門用語満載の資料をダン!と社長の前に置き、
鼻息フンフンで説明し・・・。


しかし、わたしは、一番大切なことを忘れていたのです。
それは「社長の気持ち」です。

4. これが私の一丁目一番地


  • どこが悪い・あそこが悪い・・・
  • そのためにはこうすべきである・・・。

たとえ、こちら側の指摘が正論であったとしても、
正論というものは、時として相手を傷つけてしまいます。


そして、それが正論であればあるほど、
まるで【両刃の剣】のように、相手を追い込んでしまう場合もあります。


わたしは若い頃に苦い経験をしたおかげで、
「とにかく、社長の気持ちを聞くこと」
それを、税理士であるための「一丁目一番地」に据えています。


小難しい専門用語を並べてテクニカルな説明をすることもありません。
なぜなら、それは二の次、三の次でイイからです。


そんなことよりもまずは・・・
🔴社長は、どうしたいのですか?
🔴社長は、なぜそう思うのですか?
・・・という問いに対する社長からの答えの中に、
ヒントが隠されていることが多いのです。


もっと言えば・・・
🔴なぜ、この仕事をしているのか?
🔴この仕事のどこが好きなのか?
🔴この仕事をしていて、どういう瞬間が嬉しいのか?
・・・そんな話まで社長にお尋ねすると、
ごちゃごちゃしていた枝葉の部分が取り除かれて、
シンプルな太い幹の部分が見えてきたりします。


僕は税理士と言う立場でありますが、
決して単なる計算屋さんではなく、
社長の想いを一番知っている人でありたいと願っています。

5. さいごに


痛みがあるとどうしてもその箇所が原因だと思ってしまいます。
その箇所ばかりをいじりたくなります。
その箇所を施術しないと遠回りなように思えてしまいます。


しかし、一番遠回りなのは、
自分の本当の想いを顧みることをせず、
場当たり的な対処をしてしまうことなのです。


そんな繰り返しが、
本当は意味の無いことであることを、
あなたは既に知っているはずです。


必ず、あなたは立ち上がれます。
だから、心配せず、
まずは、座って休みましょう。


そして、もう一度、
あなた自身の想いを
丁寧に自分自身に聞いてあげましょう。


少し落ち着いたら、ぼくにも話を聞かせて下さい。
喜んで、お話を聞かせて頂きますよ!

2025/04/07
【97】役員退職金の支給を想定した役員報酬の増額改定について  

1.役員退職金の支給を想定した役員報酬の増額


税法上、「役員退職金は、いくら高額でもOK!」と言う訳ではありません。

原則として、次の計算式に当てはめた金額以内であれば、
その役員退職金は損金算入が認められます。

最終報酬月額×在任年数×功績倍率=損金算入可能な役員退職金(上限)


よって、社長などの役員さんが数年後に退職予定の場合、
  • 今から役員報酬を増額しておきたい
  • いくらまでの増額ならば税務上の問題がないか?
というご質問を頂くことがあります。


過大役員報酬の数値基準はありませんが、

 ①職務内容
 ②法人の収益状況
 ③従業員給与の支給状況
 ④同程度の規模の同業他社の役員報酬の状況

・・・などにより判断することになっています。



ちなみに、

大分地裁(H20.12/1判決)では、

役員報酬月額200万円の案件に対して、適正な役員報酬は月額130万円!
との判決を下しており、この程度の乖離でも「過大額」と判断され、

納税者は敗訴しています。

2.社長の職務内容からの主張


次に、H29.4/25の国税不服審判所の裁決を見てみます。

この事例では社長の役員報酬(5期分)が問題になりました。
国税は各期における同業他社の「最高額」を超える部分を否認し、

国税不服審判所で争われましたが、

次のとおり判断されて納税者の主張は認められませんでした。



  • 社長の職務内容は事業内容に沿うものであり、
    中古自動車の卸売業を営む法人の代表取締役として一般的に想定される範囲内のものである。
  • 社長の職務内容は特別に高額な役員報酬を支給すべきものとは評価できない。
  • 法人の収益はおおむね一定である。
  • 従業員の給料もおおむね一定である。
  • 同業他社の役員報酬と比べても高額である。
  • 問題になっている社長の役員報酬の推移は、平成22年7月期を「1」とすると、
    「平成23年7月期:約2.3倍」、「平成24年7月期:約3.3倍」、「平成25年7月期:約3.9倍」、「平成26年7月期:4倍」、「平成27年7月期:約4.3倍」
    と高い伸び率となっている。


以上の理由により、各事業年度における同業他社の「最高額」を超える部分は損金不算入となったのでした。


ちなみに、納税者は

「社長の仕事(職務内容)ちゅうもんは、法人の事業全般にわたるもんやから、高額でも問題ないんじゃ!」

と主張しましたが、

国税不服審判所は

「代表者の職務内容が法人の事業全般にわたることは(別に特別なことではなく)一般的なことですよ」と判断し、

納税者側の主張は認められませんでした。


3.役員報酬の増額をどう考えるのか?


役員報酬の適正額は上述の①~④などで判断される訳ですが、

中小企業の場合は同族役員の役員報酬のみを突出して上げることもある訳です。

ただし、会社の業績がいい状況においても③の従業員の給与も同様に上げていくことは難しいでしょう。

そういう意味では最低でも②の「法人の収益状況」を根拠に説明したいところです。

もちろん、収益が上がらなければ、役員報酬を増額できない訳ではありません。

現状の収益から判断すると、本来の適正な役員報酬は200万円なのに、100万円しか支給していないこともあるからです。

このような場合は法人の収益が一定の推移でも、増額することは認められます。


4.役員報酬の増額と最終報酬月額


退職前の数年間で増額した金額を最終報酬月額にすることには

確実に否認リスクがあると考えます。

これが否認されれば「過大役員報酬」と「過大役員退職給与」のダブルチ否認を喰らいますので、

結果、納税額も多額になっちゃいます💦


どうぞご注意下さいね。


2025/04/06
【96】節税と一口に言っても  

登山をしていると、よく、こういう看板を見かけます。


この看板には、こう書いてあります。

右へ行けば、山頂への近道(だけどチョット急登)。
左へ行けば、楽な道(だけどチョット遠回り)。


登り慣れている山であれば
その日の体調や気分に応じてチョイスするのも良いのかも知れませんが、
初めて登る山であれば、むむむ???・・・と悩むところです。


ひとは誰しもシンドイことやキツイことは避けたいもの。
しかし、成果・効果・結果は、早く手に入れたい・・・。


これは、医療における治療法の選択や、
会社経営における意思決定上の選択、
そして、税務においても同じようなことが言えます。


では、税務における「ちょっとキツイけど、近道」って何でしょうか?


例えば、多額の資金を投入した節税対策が挙げられます。
この方法は、お金が沢山必要となりますので、
体力のない会社はこの道を選択できず、
しかし、その分、多額の節税効果は期待できます。


反対に、税務における「ちょっと遠回りするけど、楽な道」とは何でしょうか?


例えば、毎月コツコツと時間を掛けながら節税する方法が挙げられます。
この方法は、毎月多額の資金を要しないので比較的取り組みやすい一方で、
目に見えるような成果を短期間で見ることはできません。


クライアントさんからの節税相談に乗っていると、
上述のような、いわば【究極の2択】のようなご質問が多いのですが、
これは、少し、節税に対する考え方が短絡的過ぎます。


節税対策を講じる際、大切なことは、
【節税の種類のちがい】を整理して理解しておくことです。


まず、一口に節税と言っても・・・・・・

🔴1. お金が必要な節税
🔵2. お金が不要な節税

・・・・・・と、2種類に分かれます。


そして、それぞれは、以下に示すとおり、さらに2種類に分かれます。

🔴1-1. お金が必要な節税、かつ、税金が減少する節税
🔴1-2.    〃    、かつ、税金を先送りにする節税
🔵2-1. お金が不要な節税、かつ、税金が減少する節税
🔵2-2.    〃    、かつ、税金を先送りにする節税


つまり、節税と一口に言っても、
お金の要・不要の違いと、そして、
税金の減少・先送りの違いとがあるのです。


多くの経営者さんはこの辺りの整理をきちんとできていないかも知れませんし、
場合によっては、税理士ですら、このような説明をきちんとせず、
端的な節税対策を提案しているかも知れません。


しかし、わたしの場合、クライアントさんにまずこの分類を理解して頂きます。
そのうえで、その時点における会社の状況を勘案し、
どの分類のどの対策がベターであるのか検討し、
対策方法をご提案することにしています。


では、上記4種類の節税とは、どのよう方法があるのでしょうか?
いくつか例を挙げると次のような感じです。
※なお、税務上の各種要件を満たす必要がございますので、
 これらの節税対策をご検討の際は必ず顧問税理士にご相談下さい。
 また、当方は一切の責任を負いかねますこと、申し添えます。




2025/04/05
【95】大分旅行、振り返り〜地方創生のヒント〜  

今回、久しぶりの大分旅行を経て、
思ったところがある。

それは、過疎化の深刻さである。

祖母が生前住んでいた街は、
私が子どもの頃でも眠ったような街ではあったが、
それでもメイン通りには個人商店が立ち並び、
地元民が「デパート」と呼ぶ小さなショッピングビルもあった。

今回25〜6年ぶりに再訪すると、
商店が軒並み無くなって住宅や空き地に変わっており、
ショッピングビルも当然無くなっていた。

代わりに、近隣の国道には大手チェーン店が出現し、
高速道路も整備され、
クルマ社会の現在におけるアクセスは非常に良くなっている。

アクセスは良いのに、人がいない。。。

高速道路の整備はむしろ通過地点の町の
閑散化を促進しているようにも思えた。

ふるさと創生。
これは石破総理の至上命題とも言える施策だ。

また、シャッター商店街を活性化させようと
全国各地でそのような動きもあることも周知だ。

古民家をリノベーションして
宿泊所やレストラン等にするなど
市民が工夫を凝らしているのも分かる。

しかし。。。
圧倒的なスピード感がそこには無い。

人口減少に伴い廃れゆく地方の町々。
そのスピードに対策が全く追いついていない。

いや、そもそも、そんな問題では無いのかもしれない。
人口減少問題は半世紀も前から分かっていたことだ。

道を繋げれば活性化する。。。
田中角栄の日本列島改造論はその当時の脚光を浴びた。

その理屈も一理あるが、
現在、そもそもそこには、
必要最低限を保つだけの人々の暮らしがもはや存在していない。

自分は税理士という立場。

常々思うことは、税務や会計の本業と共に、
顧客の安心安定した経営を担保することで、
たとえ少数であっても雇用を生み出し、
地域を活性化させ、
ひいては日本全体の活性化につながって欲しい、ということだ。

大分を訪れた際、まかり間違って、
パチンコ屋の駐車場内にひっそりと立つ、
小さなプレハブ造りのうどん屋に入った。

本当は
隣接のうどん屋をカーナビにセットしていたのだが、
うっかり間違ってしまったのだ。

恐らく普段は高齢のパチンカーばかりが来店するのであろうが、
子ども連れの家族6人の旅行客として訪れたせいか、
店員のおばさんはとても喜んでくれ、
別府の話などたくさんして下さった。

田舎の人の親切さを改めて実感した。
うどんでお腹も満たされ、
そして、心も満たされた。

なんなんだろう、この気持ちは。。。

もしナビ通りに大手チェーン店で食事をしていたら、
恐らくこのような胸中には至っていない。

私は、日本の地方都市が持つ、
データや数値では現されない大切な何かが
そこにあるような気がした。

来日する外国人旅行客の多くも
「日本人の心」や「おもてなし」に感激し、
単に観光名所の良し悪しだけではない、
何かジャパンスピリット的なものを感じるようだ。

今、SNSの普及で多くの人がビジネスシーンでも情報発信をしている。
しかし、どれもこれも、何かの真似事のようで、
TVか何か見たような模倣か、
テンプレート的に出来上がるものばかりである。

このような風潮に対し、
常々わたしは「なんか違う」と思ってきた。

アングロサクソン的な情報発信を模倣する現在の日本人のSNS活用は、
本来の意味での日本人らしさを喪失することになっているのではないか?
もっと、根本的に違う手法やアプローチがあるのではないか?

外国人旅行客ですら、
東京や大阪、京都だけでは飽き足らず、
わざわざ何もないような地方の田舎町を訪れる人が増えているという。

「そんな田舎に行って何がある?」
と今までの日本人は思ってきたはずだ。

しかし、地方都市にこそ、
これからの日本の活路のヒントが多く埋蔵している気がして、
私は今回の大分旅行は、別の意味でも有意義なものであったと
感じている。

何事も問題の解決には、現場を見、
そこで働き、暮らす人々の様子を見、
そして話を聞くことだ。

片手に納まる独りよがりの四角い画面の世界では
到底気づき得ないものが現場には多くある。

今回の大分旅行は、
お袋の里帰り&墓参りが主たる目的であったが、
色々と考えさせられた有意義な旅でもあった。

2025/04/04
【94】お袋の故郷へ  





今回のブログは税務の話から外れ、
家族の話を書かせて頂きます。



【1】わたしの母は81才なのですが、「なんとかカラダが動くうちに、もう一度、故郷、大分の景色が見たい」と常々言っていました。



息子としても、なんとかその希望を叶えてあげたい
と思っていたのですが、
直近2年は手術や入院を繰り返しており、
旅行はちょっと厳しいなという状況でした。


しかし、やっと体調も戻ってき、
杖を突きながらの、介助がやや必要な状態ではありますが、
なんとか回復してきてくれたので、
両親、そして、わたしの妻と子どもたちも伴って、
家族総出で大分へ行くことにしました。




初めてのIBEXエアラインズ



【2】大分は、母の故郷でもあり、わたしにとっては「九州のおばあちゃんち」です。



子どもの頃は夏になると「さんふらわあ」に乗って、
よく遊びに行ったものです。


おばあちゃんの家はとても古く、
大きな敷地で、
海のすぐそばにあります。


夏休みの滞在中には、
毎日のように海水浴に行ったり、
潮干狩りをしたり、
そして、海から帰ってきたら
庭の井戸水でカラダを洗ってもらったものです。


トイレは縁側の端っこにあり、
夜に行くときはちょっと怖かったものです。


昔ながらのおくどさん(お釜)もありましたし、
お風呂は五右衛門風呂でした。


日中は、ちょこちょこ【魚商のおばあさん】が
天秤棒を両肩にぶら下げて、
とりたての新鮮な魚を売りに来ていたものでした。


高校に入学する直前の春休みには、
当時「ユースホステルの旅」という本に感化されたわたしは、
大阪からフェリーで単独鹿児島へ行き、そこから大分の祖母宅まで
ひとり旅をしました。


「直接家まで行けるから、迎えに来んでいい!」
と前もって祖母に言っておいたにもかかわらず、
祖母は地元の駅からわざわざ電車に乗って別府駅まで迎えに来てくれており、
しかし、そんなことを知らないわたしは祖母の家にそのまま到着し、
「あれ???おばーちゃん、おらへん」
と少し慌てたことを記憶しています。


当時、祖母はパーキンソン病でしたので、
歩く時はドタバタとしか歩けず、
そんな祖母に手間を掛けさせたくないと思い、
わたしは「一人で直接行ける!」と言ったのですが、
今思えば、高校入学前とはいえ、
「幼い孫がひとりで来るのだから、別府駅まで迎えに行ってやろう」
と考えてくれたのでしょう。

その優しさが、今はとても分かります。




祖母宅の周辺はこのような細い道がたくさんあります




近所には城跡や武家屋敷があり、落ち着きと共に凛とした空気感があります。



【3】祖母は「男の子はドンドン食べなさい」というタイプでした。



ひとり旅で行った時も、カレーを作ってくれたうえに、
さらに、近所の鶏肉屋さんで鶏の脚のから揚げを山ほど買ってきて、
そのうえ、お刺身も山盛り用意してくれました。
(鶏の脚は5本くらいで限界でしたw)


しかも、作ってくれたカレーですが、
恐らく、祖母は普段、魚料理が中心で、
カレーなんて全く作らなかったのでしょうが、
若い子が喜ぶだろうからと、
久しぶりに作ってくれたのだと思います。


しかし、普段作り慣れていないせいか、
カレーがトロリを通り越してドロリとしており、
お玉でカレーをすくっても粘度が高すぎてご飯に投下できず、
お玉をひっくり返してもルーがお玉にくっついたまま。


すると、祖母は「タン!」とお玉の片方を食卓に打ち付け、
ルーが「ボタっ!」とカレーがライスに落ちるという(笑)


そんな祖母は、只々優しい人でした。
いつもニコニコしており、
一度も叱られたことはありません。


わたしがもっと小さいころに訪れた際、
新調したてのタタミを【物差し】の角っこで「ザー!」と走らせたときも、
「まぁ、まぁ!」と祖母はニコニコしながら言うだけで・・・。
(おばあちゃん、ごめんよ)



藩校、致道館。
観光ガイドさんが詳しく説明して下さります。



【4】そんな優しい祖母は、今から15年ほど前に他界しており、今回、久しぶりに訪れた祖母の家はすっかり解体され、雑草が生い茂るノッパラになっていました。


懐かしくもあり、ちょっと寂しい・・・


そんな胸中でいると、敷地内に小さなホコラ(お稲荷さん)を見つけました。


幼少期の頃は全く覚えがないのですが、
草だらけのなかにホコラがそのまま有るのは何だか気の毒な気持ちになり、
わたしは近所の商店でお酒とお塩を買い求め、
ホコラを掃除して、そして、土地一帯をお清めすることにしました。


わたしもずっと前から祖母宅をもう一度見てみたいと思っていただけに、
なんだか気持ちがスッキリしました。


そして、「一番来たかった人」であるお袋は、
とにかく喜んでくれました。
「孫たち(わたしの子ども二人)にも大分の景色を見せたい」
とずっと言っていましたので、
母は感無量の様子でした。



体育館がすっぽり入るくらいの敷地。
家は解体され、すっかり野原になっていましたが、
井戸跡や玄関に続く階段など、
以前の姿を垣間見ることもできました。


【5】翌朝、お袋は「おばあちゃん(母)が夢に出て来てくれたよ!」と興奮気味に私に報告してきました。


夢の中で、祖母は
「大勢で来てくれたんじゃなぁ、ありがとう」と
それはそれは、大いに喜んでいたようです。


そして、
祖母から見ればひ孫にあたる私の子どもたちのことを
「一緒に来ていた子どもたちは、名前は何て言うんじゃ?」
と夢の中でお袋に聞いてきたようです。


さらに、祖母はお袋に対して
「あんた、いくつになったんじゃ?」と聞くので、
お袋は「81になったんよ」と。


祖母は生前、お袋が帰省するたびに
「あんた、いくつになったんじゃ?」と聞く人だったようです。
だから、今回、久しぶりに故郷を訪れたお袋に、
祖母は常套句の質問をしたのでしょう。


「これが、すべて単なる夢やとは思われへん。
 おばあちゃん、すごく喜んでくれて、
 そして、夢を通じて出てきてくれたんやわ・・・」


お袋は涙声になりながら、そう話をしてくれました。
私も胸が熱くなりました。


うん、単なる夢じゃなく、
本当に祖母がお袋に嬉しさを伝えるために
現れてくれたのだと思いました。



日出の海。
対岸には高崎山が見えます。



【6】今回の大分旅行、お袋は「連れて行ってくれてありがとう」とすごく喜んでくれました。




そして
「なんだか、気持ちが、すっとした」と。


私自身、
ずっと再訪したかった大分の祖母宅。
そして、あの海、あの景色・・・。


それを、両親と、そして、
妻と子ども達も一緒に連れて行けたことは
大きな達成感であり、喜びです。


人には誰しも大切な場所があります。
それがどんな場所であるか、それは人によって違うと思いますが、
大分の日出の町は、
私にとってもかけがえのない、
大切な場所のひとつです。






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