2023年(令和5年)よりインボイス制度が導入され、
早1年と少しが経った。
その目的を、財務省はこう述べる。
複数税率下における適切な仕入税額控除(支払った消費税の計算)を
するためである、と。
しかし、税理士として税務の現場を預かる立場としては
これに大いに賛同する訳にはいかない。
なぜなら、インボイス制度の導入により、
各企業・各事業主がいかに事務的な手間を強いられているか、
いかに税額負担を強いられているか、
そんな様子を日常的に見ているからである。
また、インボイスに登録しなかった事業者が
被っている取引減少・取引除外という問題も
併発している。
財務省は正しい事をしていると信じ込んでいるだろう。
しかし、正しい事を行うための手段を誤ると、
その目的達成の副作用がいかに大きいか、
そして、中小零細企業ほど、いかにその負担が大きいか・・・
それを是正する事が出来るのは、
国民の代表たる国会議員しかいない。
この場で政治批判をするつもりはないが、
インボイス制度導入後の実態検証をきちんと行って欲しい。