前号のブログでは、長くなるので敢えて書きませんでしたが、続きがあります。
それは、販売価格(売上単価)の値上げに関することです。
粗利率を改善しないといけない場合、仕入高や外注費などの原価の削減で対応できればまだ良いのですが、
中小零細企業や個人事業の場合、「そもそも売上単価が低すぎる」という問題が根本にあります。
そうなると、一番改善すべきは「値上げ」であり、これが一番手っ取り早い方法なのですが、
多くの経営者さんは値上げを避けたがります。
なぜなら、値上げをするとお客さんが減ると思っているからです。
前号のブログで書いた経営者さんも「値上げをするとお客様に申し訳ない」と思って、
自分が我慢する道を選択して来られました。
しかし、相場よりも明らかに低く、かつ、このままでは倒産するかもしれない場合、
そんなことは言っておられません。
値上げについて非常に後ろ向きなその経営者さんに対し、ぼくは【2:6:2の法則】のお話をしました。
もし、社長さんがね、値上げをすると、10のうち2の人は文句を言うでしょう。
そして、怒って、離れていくでしょう。
これは、自然の法則だから仕方ないんです、割り切って下さい。
むしろ、2の人が離れて正解です。
でも、別の2の人は、すごく理解してくれますよ。
確かに今まで安すぎたよね~、
実はあんな値段で大丈夫かなと心配していたんだよ~、
って涙がちょちょぎれるくらい、共感して下さります。
きっと、これだけでも「あぁ、思い切って値上げしたけど、良かった」と
思えますよ。
そして、残りの人たち、つまり、6のお客さんたちは、
社長が悩んで悩んで値上げしたにもかかわらず、あっけらかんとしたもんですよ。
資材価格も燃料価格も高騰しているし、人件費も高騰しているから、
まぁ、仕方ないんじゃないって感じで淡々としたもんですよ。
だから、なにかアクションを起こそうとすれば、
あるいは、なにかコトを成そうと思えば、
どんなことであれ、2の人は反対する・離れていくものだ、
それが自然なんだ、と割り切って下さい。
大切なことは、離れていく2の人たちを恐れるのではなくって、
社長さんのことを信じて下さる2の人、
そして、淡々とお付き合いして下さる6の人、
つまり、離れていく以外の8のお客さんを大切にするべきなんですよ。
自分が無理をして潰れてしまっては、それこそお客様に申し訳が付かない
だからこそ、10のうち、8のお客さんたちを大切にするためにも、
社長さんの会社は潰れちゃいけなんです。
値上げして2の人が去っていくことを心配するよりも、
値上げせずに今の低い利益で突き進んで倒産してしまうことこそ、
8のお客様に対して申し訳が付かないことをしてしまうんですよ。
お客様だけじゃありません。
社長さんのご家族に対しても、申し訳が付かないことになっちゃうんですよ。
しかも、つぶれそうなくらいに低い粗利率を
正常な値に戻すための値上げです。
暴利をむさぼるための値上げじゃ全くありません。
2:6:2の法則。
しっかりと、心に留めて下さいね。