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連続税務小説 ヤマゲン 第32話 「法人にした方がトクなんですか?」

2026/02/01
連続税務小説 ヤマゲン 第32話 「法人にした方がトクなんですか?」

 昼過ぎ。

 町工場に差し込む日差しが、
 以前より少し強く感じられた。


 機械の音は止まらない。
 注文も、
 問い合わせも、
 確実に増えている。


 田中 恒一は、
 作業台に腰を下ろし、
 汗をぬぐった。


 悪くない。
 むしろ、
 順調だ。


 最近、
 周りの声が変わってきた。


「田中さんとこ、
 だいぶ儲かってきてるやろ」


「そろそろ、
 法人にした方が
 ええんちゃう?」


 取引先。
 同業者。
 昔からの知り合い。


「法人にしたら
 信用ちゃうで」


「株式会社ってだけで
 見られ方、変わる」


 そんな言葉が、
 妙に引っかかった。


 夜。
 帳簿を閉じたあと、

 田中は天井を見た。


「……法人にした方が、
 トクなんかな」


 税金。
 信用。
 周りの評価。

 頭の中で、
 整理がつかない。


 翌日。
 ヤマゲンの事務所。


 イチゴ柄のネクタイは、
 今日も控えめだ。


 机の上には、
 試算表。


 田中は、
 少し照れくさそうに切り出した。


「ヤマゲンさん」

「最近、
 よう言われるんですわ」


「“儲かってきたら
 法人にした方がええ”
 って」

「信用も上がる、
 言われまして」


 ヤマゲンは、
 すぐには答えなかった。

 イチゴポッキーを一本、
 袋から取り出す。


「田中さん」

 静かに言った。


それ、
 半分は正解です


 田中は、
 少し身を乗り出した。


「法人=信用が上がる」は本当か


「確かにな」

 ヤマゲンは、
 淡々と言う。


「法人の方が
 社会的な信用
 は上がります」


「銀行」

「大手の取引先」

「新規の企業」


個人事業より
 法人の方が
 話が早い

 場面は多い」


 田中は、
 ゆっくりうなずいた。

 実感があった。


「でもな」

 ヤマゲンは、

 ここで一度、言葉を切った。


“法人”と一口に言うても、
 中身はピンキリです

 ポッキーを
 指でくるりと回す。


今は「1円」で会社が作れる時代


「今な」

「資本金、
 1円でも
 会社は作れます


「極端な話・・・

 個人事業と
 何も変わらん規模の
 スモール法人
 山ほどあります」


 田中は、
 少し驚いた。


「じゃあ、
 法人やからって
 全部が信用される
 わけやないんですね」


「そのとおり」

 即答だった。


「法人=安定」ではない現実


「もう一個」

 ヤマゲンは、
 声を少し落とした。


「これ、
 あんまり
 言われへん話ですけど」


法人作っても、
 5年持たん会社、
 めちゃくちゃ多い


 田中は、
 言葉を失った。


「個人事業より
 早よ潰れるケースも
 あります」


「理由は単純でな」

会社にしただけで、

 中身が変わってへん
 からです」


ヤマゲンの核心


「田中さん」

 ヤマゲンは、
 はっきり言った。


「法人化ってな」

税金の話だけでも

信用の話だけでも

肩書きの話でも
 ありません」


中身が追いついてへん法人
 ほど、しんどいもんはない」


「固定費は増える」

「責任も増える」

「やめたくても
 簡単には
 やめられへん」


 田中は、
 腕を組んだ。


 確かに、
 最近は忙しい。

 でも、
 人は増えていない。

 全部、
 自分が回している。


「ヤマゲンさん」

 田中が、
 ゆっくり言った。


「……法人にしたら、
 楽になると思ってました」


「ほぼ、逆ですわ」

 ヤマゲンは、苦笑した。


「それでも法人化を考える意味」


「せやけどな」

 ヤマゲンは、
 少しだけ表情を和らげた。


それでも法人化を考え始めた
 ってこと自体は」

「悪いことやない」


「それはな」

今のやり方の限界
 が、
 見え始めてる証拠や」

 

 田中は、
 ハッとした。


「次はな」

 ヤマゲンは、
 軽く笑った。


数字で見ましょ


「今のまま個人で行ったら
 どうなるか」

「法人にしたら
 どう変わるか」

「税金だけやなく」

働き方も
 責任も
 全部込みで

 ポッキーをかじる。

 カリッ。


 帰り道。

 田中の頭の中から、

 「法人にしたらトク」
 という言葉が、
 少し薄れていた。


 代わりに残ったのは、
 もっと重たい問い。


 自分は、
 この先
 どこまでやりたいのか。


 法人化は、
 まだ決断じゃない。

 でも、
 避けて通れないテーマに
 なった。

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