🍀数字に心
🍀税に愛
🍀人生には笑いと熱き想いを

営業時間:10:00~19:00 定休日: 土日祝

  1. ブログ
  2. 連続税務小説 ヤマゲン 第19話「契約書は、縛るためやなくて」
 

連続税務小説 ヤマゲン 第19話「契約書は、縛るためやなくて」

2026/01/19
連続税務小説 ヤマゲン 第19話「契約書は、縛るためやなくて」

 先生の事務所で、

 田中 恒一は、少しだけ背筋を伸ばしていた。

 机の上には、
 白い紙が一枚。

 よく見れば、
 それは契約書だった。

「……これが、
 顧問契約書ですか」

 田中がそう言うと、
 先生は、軽くうなずいた。

「そうですわ」

 紙を指でトントンと叩く。

「別に、
 怖いもんちゃいます」

「……正直、
 契約書って聞くと、
 ちょっと身構えます」

 先生は、すぐに笑った。

「分かります分かります」

「大阪人な、
 “縛られる”って言葉、
 生理的に嫌いですから

 田中も、
 思わず苦笑した。

「せやからな」

 先生は、少し身を乗り出す。

「これは、
 縛るための紙やないです」

「ほな、
 何のためですか」

逃げんため
 ですわ」

 即答だった。

「僕も、
 田中さんも」

 少し間を置いて続ける。

「ええ加減な関係に
 ならんための紙です」

 田中は、
 その言葉を
 静かに受け止めた。

 ここまでの相談は、
 確かに、どこか様子見だった。

「料金も、
 ここに書いてますけど」

 先生は、あえて淡々と言った。

「正直な話な」

一番大事なんは、
 金額やない

 田中は、
 少し意外そうに顔を上げた。

「これから先は」

 先生は、
 声のトーンを落とす。

「田中さんが
 迷ったときに」

僕が
 “それは違う”って
 言う立場になる

 いうことです」

 田中の胸が、
 少しだけ締まった。

「優しいことばっかり
 言う税理士、
 ちゃいますよ」

「嫌われ役も、
 ちゃんとやります」

 田中は、
 小さく息を吐いた。

「……それ、
 もう分かってます」

「でしょ」

 先生は、
 軽く笑った。

 そして、
 契約書の最後のページを
 田中の前に差し出す。

「ここに、
 田中さんの名前」

 指をずらす。

「で、
 ここに、
 僕の名前が入ります」

 田中は、
 ペンを持ったまま、
 ふと止まった。

「……そういえば」

「先生のお名刺、
 頂いてませんでした」

 その瞬間、
 先生は少しだけ
 間を置いた。

「ああ、
 確かに」

 軽く咳払いをしてから、
 さっと差し出した。

「改めまして
 大和 源太郎(やまと げんたろう)
 です」

「……大和、
 源太郎」

「ちょっと硬いでしょ」

 大和源太郎は、
 少し照れたように笑う。

「顧問先の社長さんからは

ヤマゲン
 って呼ばれてますねん」

 ヤマゲン。

 田中は、
 その名前を
 頭の中で転がしてみた。

 妙に、しっくり来た。

「ヤマゲン先生、
 ですね」

「先生、
 要らんです」

 源太郎は、即座に言った。

「仕事の話は
 税理士・大和源太郎」

「それ以外は
 ヤマゲン」

「そのくらいが
 ちょうどええですわ」

 田中は、
 ゆっくりと
 自分の名前を書いた。

 そして、
 源太郎の署名を見る。

 そこには、
 崩れすぎていない、
 でも迷いのない字で
 「大和 源太郎」と書かれていた。

「……名前、
 書くと」

 田中が言う。

「急に、
 現実味出ますね」

「出ます」

 源太郎は、
 はっきりとうなずいた。

「せやから、
 ここで書くんです」

覚悟、
 共有するために

 契約書を閉じ、
 源太郎は立ち上がった。

「ほな、田中さん」

「ここからは」

 一呼吸おいて、
 こう言った。

遠慮なしで行きましょ

 田中は、
 静かにうなずいた。

 先生でも、
 税理士でもない。

 大和源太郎――ヤマゲン

 この人となら、
 厳しい話も、
 ちゃんと受け止められる。

 田中は、
 そう思っていた。

 竹岡税務会計事務所 

経営が見えない!を数字でクリアに。

まずは、お気軽に無料相談を。

電話番号:090-7499-8552

営業時間:10:00~19:00

定休日 : 土日祝

所在地 : 大阪府富田林市須賀1-19-17  事務所概要はこちら

お問い合わせ